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清水建設株式会社top2021年08月31日

3次元曲面ガラススクリーン構法を開発

~曲面ガラスの支持構造を最適化し、施工性・施工品質を確保~

清水建設株式会社

2021年08月31日

 清水建設(株)<社長 井上和幸>はこのほど、3次元曲面で構成するデザイン性の高いガラスファサードを高精度に構築できる「3次元曲面ガラススクリーン構法」を開発しました。本構法により、従来技術では困難だった複雑な曲面形状をガラスファサードに付与することが可能になり、建築ファサードの設計自由度が飛躍的に高まります。

近年のコンピュテーショナルデザイン手法の普及により、3次元曲面を取り入れたダイナミックなガラスファサードに対する設計ニーズが増えつつあります。一方、3次元曲面形状のガラスファサードの施工では、ガラス部材の支持構造が複雑化し、部材の製作精度や現場での取り付け精度についても極めて高い水準が求められるため、フラットなガラスファサードと比べて施工手間とコストが大幅に増加してしまうという課題があります。また、低コストで3次元曲面形状を表現する手法として、フラットなガラスをはめ込んだカーテンウォールユニットを現場で強制的にねじりながら所定の位置に取り付けるコールドベント工法が実用化されていますが、対応できる曲率に限界があり、変化に富む複雑な曲面形状は表現できません。

一方、当社が開発した3次元曲面ガラススクリーン構法は、化学強化合わせガラスで成形した曲面ガラス部材を点支持構法により接着接合するもので、支持部材の構造を最適化することにより、施工性と施工品質を確保します。

支持部材の製作には、ジェネレーティブデザイン手法と金属プリンティング技術を活用し、ガラス部材の曲面形状にベストフィットする金属製の支持部材を一品生産します。具体的には、ジェネレーティブデザイン手法により接合部の構造強度を最も効率的に発現できる支持構造を導出し、その3次元データを粉体金属プリンタに入力して支持金物を製作します。併せて、完成した部材の形状を3次元スキャナで計測し、製作精度を確認したうえで施工に臨みます。施工時には、ガラス部材と支持金物の接合点を構造接着剤で固定するため、施工精度を確保しやすく、取り付け手間も低減できます。

本構法の開発にあたり、技術研究所内に縦5m×横3mの実大モックアップを構築し、施工の実効性を確認しています。今後、モックアップを用いた実大性能試験により地震や風圧などに対する強度を検証したうえで、実案件への適用に向けた提案活動を進めていく考えです。
                             以上


≪参 考≫

モックアップの様子



支持部材の取り付け状況



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