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清水建設株式会社top2022年04月05日

タワークレーン・エレベータの稼働状況をリアルタイム監視

~デジタルの力で揚重作業を見える化・効率化~

清水建設株式会社

2022年04月05日

清水建設(株)〈社長 井上和幸〉はこのほど、タワークレーン・エレベータの揚重作業のリアルタイム監視と稼働データの収集・分析による作業効率の向上を目的に、デジタル化技術を活用した見える化システム「揚重モニタリングシステム」を開発、当社が施工中の虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業(虎ノ門・麻布台プロジェクト)A街区建設所に適用しました。同建設所では、現場事務所に設けたディスプレー上で、6基の大型タワークレーンと6台のエレベータの稼働状況をリアルタイムに見える化しています。

建築現場では、日々、翌日のタワークレーンとエレベータの揚重計画を策定しています。揚重作業は工程を大きく左右することから、計画と作業が乖離しないようにリアルタイムに細かにフォローする必要がありますが、アナログ的な管理には限界があります。揚重モニタリングシステムは、こうした課題に対応したデジタル化技術です。

 

このシステムは、文字データとCGでクレーンとエレベータの稼働状況を見える化します。具体的には、揚重中の資材の種類と重量、当日の既揚重回数と累計重量、揚重予定回数などの文字データ、リアルタイムのクレーンのブームの動き、エレベータの位置を示すCG画像やグラフをディスプレー上に表示します。さらには、稼働状況データを日々策定する揚重計画データに重ねることで、揚重作業の進捗状況も管理できます。このため、施工管理者は現場事務所にいる間も揚重作業の状況が手にとるようにわかります。

 

システムの主な構成機器は、タワークレーンとエレベータの制御情報をサーバに送信するデータ収集装置、オペレータが揚重資材の種類を入力するタブレットです。システムは、データ収集装置とタブレットから得たデータを変換してディスプレー上に表示するとともに、クラウドサーバに送信し、蓄積します。蓄積された揚重ビッグデータは、導入現場での揚重計画の改善に加え、類似現場の計画にも活用可能です。

 

見える化がもたらすメリットは、遠隔管理による省人化、揚重課題の早期発見・解決による工期短縮です。揚重課題は、揚重した資材の種類、揚重時間、揚重工程を施工管理者がチェックすることで容易に把握できます。現場の規模が大型化するほど、稼働するタワークレーン、エレベータの台数が多くなるため、省人化効果、工期短縮効果とも大きくなります。A街区建設所では、55インチのディスプレー36体を配備した現場事務所の統合監視室「Smart Control Center」から、すべてのタワークレーン、エレベータの稼働状況を具体的なデータと映像とともにほぼリアルタイムに監視しています。

 

当社は今後、揚重モニタリングシステムを大規模現場へ水平展開するとともに、約330mに達するA街区タワービルの施工を通じ、風が超高層階の揚重作業に与える影響を収集・分析し、超高層ビル案件の揚重計画に反映していく計画です。

 

≪参 考≫

A街区建設所の工事概要

計画名称              虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業

所  在  地              港区虎ノ門5丁目、麻布台1丁目および六本木3丁目の各地内

発  注  者              虎ノ門・麻布台地区市街地再開発組合

用   途             共同住宅、事務所、店舗、各種学校、自動車車庫、その他

                  敷地面積24,104m2、建築面積15,247m2、延床面積461,395m2

地上64階・地下5階・塔屋2階、最高高さ325m/最高深さ37.3m

構  造               鉄骨造一部鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造(制振構造)

設  計               森ビル(株)一級建築士事務所、(株)日本設計、清水建設(株)一級建築士事務所(地下構造設計(共同設計))

                     清水建設(株)


 

現場事務所の統合監視室「Smart Control Center」の様子

 

タワークレーンのリアルタイムモニタリング

 

クレーンの稼働データを元にシステム上の3次元モデルを旋回・起伏させることにより、現場の揚重作業を再現する。1秒ごとの機械稼働データを元に稼働/非稼働の抽出、取付位置の抽出、問題となる長時間作業の抽出等を独自のアルゴリズムで自動判定し、現場の工程管理にフィードバックする。

 

エレベータのリアルタイムモニタリング

 

エレベータの稼働データを元にシステム上の建物の2次元モデル内部で昇降・停車させることで、建物内での揚重作業を再現する。機械稼働データを元に稼働/非稼働の抽出、資材搬送先階の抽出、作業員搬送人数の抽出等を独自のアルゴリズムで自動判定し、資機材や作業員の動きを見える化する。

 

※ニュースリリースに記載している情報は、発表日現在のものです。ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がございますので、あらかじめご了承ください。

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