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三菱地所株式会社top2022年01月13日

「無線給電」の米スタートアップPHION Technologiesに出資

~“コードなしで給電できる世界”の実現に向け、22年春に実証実験スタート~

三菱地所株式会社

2022年01月13日

三菱地所株式会社は、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)における2020年以降のまちづくりを「丸の内 NEXTステージ」と位置付け、イノベーションが生まれ続けるエコシステムの形成に、まち全体で取り組んでおります。その一環として、赤外線を用いた無線給電(ワイヤレス給電)プラットフォームを開発する米国カリフォルニア州オークランドのスタートアップPHION Technologies Corp.(ファイオンテクノロジーズ、以下PHION社)にこのほど出資いたしました。

PHION社とは2022年春を目途に、大手町にある三菱地所本社やInspired.Lab※のラウンジにて、同社の無線給電システムを設置し、携帯電話等のモバイルデバイスに給電を行う実証実験を実施する予定です。

※Inspired.Lab 社会に大きなインパクトを与え、将来の産業構造を変革していく可能性を秘めた最先端の科学技術や研究成果をベースとするテクノロジーが集積し、企業の協創が生まれる拠点として、SAP ジャパン株式会社と三菱地所株式会社が、20192月に大手町ビル(東京都千代田区大手町 1-6-1)にオープン。スタートアップ会員24社、企業会員11社が参画し、新規事業の創出やイノベーティブな事業を推進中  

 

無線給電とは、電源ケーブルやコード、電極接続を行わずに電力を伝送・供給する技術です。電気機器や電気自動車など、有線ケーブルでの充電が不要になる、常識をくつがえす新技術として世界で注目が集まっています。

無線給電技術の導入により、オフィスや住宅、ホテル等の室内レイアウトの自由度が増し、今後需要が増すカメラやIoT機器の設置に際しても新たな配線工事が不要となるなど、工事費削減効果も期待されます。各種ケーブルが不要となり、その空間にいるだけで対応の電気機器を充電できるなど、利用者にとっても快適性・利便性が向上します。 

 

無線給電は、米国等においては電気バスへの充電テストが開始されるなど近年商用化が加速しており、日本においては、総務省が2021年度中にも電波法を省令改正し、3つの周波数帯(920メガヘルツ、2.4ギガヘルツ、5.7ギガヘルツ)を無線給電に割り当て予定であるなど、今後、国内でも普及・発展が見込まれています。 

 

三菱地所は無線給電の技術をいち早く実証し、同技術に関する情報を収集することにより、先端的で快適なオフィスや住宅、ホテル等の設計・商品企画に反映してまいります。 また、将来的には入退室情報や位置情報等との連携、広告・情報配信サービスとの連動など、様々なビジネスモデルの構築を図り、新しいオフィスサービスや来街者サービス、ビルの効率的な管理など、まちづくりの未来を探るとともに、スマートシティの実現に貢献してまいります。             

 

 無線給電を用いた空間(イメージ)

 

PHION社 創設者・CEOジョナサン・ナイデルのコメント

 「三菱地所を株主および企業パートナーに迎え、大変うれしく思っております。三菱地所は2022年に当社が展開するパイロットプログラムの一環として、積極的に技術実証に取り組もうとしています。日本は非常に重要な市場です。なにより、知名度が高く業界リーダーである三菱地所をパートナー・顧客に迎えられることを、大変喜んでおります。」ジョナサン・ナイデルはスペースX社で約4年間シニアエンジニアを勤めた後、PHION社を共同設立し、PHION社を率いてきました。

 

PHION社の遠隔無線給電技術について

遠隔無線給電には電波によって給電する方式と、赤外線によって給電する方式の2つがあります。PHION社の特許出願中の無線給電技術は、赤外線を用いることにより遠距離(10m超)・高電力(20Wまで)の遠隔無線給電を安全に行うことを目指しています。電波方式と比較し、大容量かつ長い距離の給電が可能です。加えて、位置情報、端末タイプ、充電レベル等のデータをセキュアに送受信することもできます。

電波式は電波法の周波数帯の割り当てを必要としますが、赤外線方式は電波と干渉しないためそれを必要としません。

パイロットプログラムで使用される第1世代のモデルは、モバイル端末に5Wの電力(通常の充電アダプタと同等)を供給する予定です。将来的には10mを超える距離において20WPCを充電することができ、送信機を天井に設置することにより、45200㎡をカバーすることを想定しています。

 

■三菱地所本社およびInspired.Labにおける実証実験について

実施時期:2022年春より約5カ月間 実証実験内容:Inspired.Lab内のラウンジや三菱地所本社の執務スペースにPHION社送信機および受信機を設置、携帯電話等のモバイルデバイスに給電、有用な利用シーン・利活用方法などを検証実証実験の実施にあたっては、日本における許認可の取得等が前提となります

※Inspired.Labでは、PHION社と三菱地所による実証実験以外の無線給電の実証実験も計画されています 

 

■PHION社 概要

出資先企業名:PHION Technologies Corp.(ファイオンテクノロジーズ)(www.phiontech.com)

事  業  概  要 :遠隔無線給電システムの開発・販売

設     立     年 :2017年 上場:非上場
代     表     者 :Jonathan Nydell(ジョナサン・ナイデル、元SpaceXエンジニア)       

                          Matt Nydell(マット・ナイデル、元VolexChief Legal & Development Officer

事  業  拠  点 :米国カリフォルニア州オークランド 

※PHION社の今回の資金調達ラウンドは202112月に完了しております。三菱地所の投資額(202112月に出資)は非公開です。  

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