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三菱地所株式会社top2022年02月15日

~大手町・丸の内・有楽町におけるエリア防災の取り組み~

三菱地所株式会社

2022年02月15日

三菱地所株式会社は、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)における防災の取り組みとして、昨年に発表した災害対策機関での情報共有や帰宅困難者向けの情報発信を行うプラットフォームの機能を更に強化し、実装に向けた実証実験を、2021年11月~2022年2月の約4ヶ月間にわたり、「災害ダッシュボードBeta」として官民連携して実施しております。2019年の「災害ダッシュボード2.0」において、災害時の負傷者バス搬送実証実験後に、関係者で検討を重ね、2022年1月20日に災害時緊急輸送バスに関する協定を千代田区、日の丸自動車興業、東日本旅客鉄道と当社にて締結し、本協定に基づく初訓練も行います。

災害時の情報連携プラットフォーム「災害ダッシュボードBeta」実証実験実施

千代田区等が発信するTwitter情報を自動連動・一時滞在施設の満空情報を官民連携で提供
エリア巡回バスが災害時に負傷者等搬送、バスの位置情報・車内映像を情報連携
災害時に丸の内ビジョン(デジタルサイネージ)を遠隔操作で非常放送に切り替え

 

  

 

本実験の目的と内容

本実験は、丸の内エリアに想定した「次世代防災拠点(災害対策拠点)※1」に含まれる情報HUB機能※2の実装化に向けたもので、帰宅困難者対策、負傷者搬送支援等の目的を含みます。

日の丸自動車興業が同エリアで運行する「丸の内シャトル」が、災害時に千代田区、三菱地所、東日本旅客鉄道からの要請を受け、可能な範囲で負傷者搬送や物資・職員輸送を行うことを想定した訓練であり、同時にバスの位置情報や車内映像を搬送関係者に連携するデジタル化の実証も行います。

 

実証①:災害ダッシュボードBeta デジタルサイネージ版

2021107日地震におけるTwitter生データを利用した自動連動 ・千代田区災害対策本部からの発信を想定した一時滞在者施設の満空情報提供

 

実証②:エリア巡回バスによる災害時負傷者搬送など

・千代田区、日の丸自動車興業、東日本旅客鉄道と当社の4者の協定に基づく内容

・負傷者搬送の要請(MCA/IP無線機)方法とバス位置情報・車内映像を搬送関係者で情報共有

・丸の内二重橋ビルで負傷者1名を搬送者がバスに収容し、三菱ビルへ移動(中継)
実証:デジタルサイネージでの緊急放送を遠隔起動

・丸の内ビジョン遠隔操作装置の試運用(緊急切替機とスマホアプリで遠隔操作)

・首都直下地震を想定し、模擬TVニュース+Twitter情報+帰宅困難者受入施設満空情報を丸の内ビジョン 全台(丸の内エリア内のデジタルサイネージ約100台)に放映


 

■今後について                                           

「災害ダッシュボードBeta」は、過年度の取り組み経験を活かし、災害時業務の一部自動化・遠隔操作や実装可能な機能を選択した実証版としています。また、当社では、丸の内エリアの17棟で千代田区と帰宅困難者受入施設の協定、医療連携の協定なども締結しており、災害時に実現性のある官民連携した取り組みをより一層推進してまいります。「災害ダッシュボードBeta」は同エリアにおける次世代防災拠点(災害対策拠点)機能の実現や首都直下地震等に対するスマートシティの一機能として、2022年度中の実装検討を千代田区と進めており、更なる災害対策ニーズとソリューションの実証実験等を鉄道・ビル事業者等とともに推進してまいります。    

 

災害時の課題首都直下地震で同エリアにて発生する帰宅困難者数は、平日15時頃発災の場合で約42千人と推定されています。

千代田区の帰宅困難者対策として、避難者への情報提供は防災行政無線や安全・安心メール、HPSNSを活用していますが、より多くの方に、より継続的に周知が行われる仕組みが必要です。

同エリアには災害拠点病院が無く、災害時は救急車の到着時間が見込めないため、同エリア内の医師がトリアージを行い、軽症負傷者は待機もしくは帰宅等を判断するなど、医療活動の維持が重要となります。中等症以上相当負傷者は、応急救護のできる場所への搬送や、災害拠点病院への移送も必要とされます。

また、負傷者の発生数については、医療機関・仮救護所のホワイトボードに記載しますが、その数値を適宜千代田区災害対策本部・千代田保健所に伝える必要もありました。

 

実証実験の概要                                           

・日     時:2022215日(火)10:0011:50  

・実施場所:丸の内ビル  7  丸ビル放送センター前(後半は三菱ビル外構に移動)

・実施内容:10:00  全体の概要説明 10:15~「災害ダッシュボードBeta」デモンストレーション


実証:災害ダッシュボードBeta  デジタルサイネージ版

2021107日地震におけるTwitter生データを利用した自動連動

・千代田区災害対策本部からの発信を想定した一時滞在者施設の満空情報提供


実証:エリア巡回バスによる災害時負傷者搬送など

2022120日に千代田区、日の丸自動車興業、東日本旅客鉄道と当社の4者で緊急輸送 に係る協定締結 ・負傷者搬送の要請(MCA/IP無線機)と位置情報・車内映像を搬送関係者に情報連携

・丸の内二重橋ビルで負傷者1名を搬送者がバスに収容し、三菱ビルへ移動(中継) 実証:デジタルサイネージでの緊急放送を遠隔起動

・丸の内ビジョン遠隔操作装置の試運用(緊急切替機とスマホアプリで遠隔操作)

・首都直下地震を想定し、模擬TVニュース+Twitter情報+帰宅困難者受入施設満空情報 を丸の内ビジョン全台(丸の内エリア内のデジタルサイネージ約100台)に放映

・主 催 者:三菱地所

・参 加 者:千代田区、日の丸自動車興業、東日本旅客鉄道、聖路加国際病院・聖路加メディローカス*他

2013年に災害時医療体制に係る協定を締結済

 

■「災害ダッシュボードBeta」のポイント

実証:災害ダッシュボードBetaデジタルサイネージ版

・千代田区、東京都、鉄道各社、インフラ企業等から発信される、災害時の公式Twitter情報を、発災日時以降 を条件に災害ダッシュボードが自動的に取り込み、発信者別に最新情報を提供。これにより、避難者はTVと 同様にプッシュ型で情報を知ることができる。

また、千代田区は災害ダッシュボード専用の情報を手入力する必要がなくなり、運用が容易になる。

・千代田区と帰宅困難者等受入協定を締結したビル事業者は、同区の要請に基づき、建物の安全を確認した上、 順次帰宅困難者受入施設として開設する。

千代田区災害対策本部が、ビル事業者と協議の後、同施設の開設を 決定し、その開設・満空情報を登録する。避難者はQRコードを読み取ることでリアルタイムな施設満空を 把握して、地図アプリを見ながら移動できるので、受入施設の混雑平準化が図れる。

・災害ダッシュボードにはデジタルサイネージ版とWEB版があるが、前者は、TV+Twitter情報+帰宅困難者 受入施設マップなど、後者の一般向けはデジタルサイネージ版と同じコンテンツで、災害対策機関向けは、 要所のライブカメラ(バス車内、聖路加メディローカス、など)も掲出する。

 


実証②:エリア巡回バスによる災害時負傷者搬送など

2019年に実施した「災害ダッシュボード2.0」において、災害時の負傷者バス搬送について鉄道事業者も含めて実証実験を行ったが、その後、その有効性・実現方法を関係者で検討を重ね、2022120日に「大手町・丸の内・有楽町地区都市再生安全確保計画※3に基づく災害時のバス車両による緊急輸送協力に係る協 定書」を千代田区、日の丸自動車興業、東日本旅客鉄道と当社の4者にて締結。協定をベースに、災害時に おける負傷者や物資等の搬送を更に強化していく。

・エリア巡回バス「丸の内シャトル」にて、車椅子に乗った中等症相当の負傷者を、2ヶ所の仮救護所(丸の内 二重橋ビル・丸ビル)とJR「東京駅」を経由して聖路加メディローカス(診療所)へ搬送する実証実験を行う。

・バスに搭載したスマホにより、車内映像と位置情報をWEB版(災害対策機関用)に表示。


 

実証③:デジタルサイネージでの緊急放送を遠隔起動

・緊急切替機(リモートスイッチ)とスマホアプリで丸の内ビジョン(デジタルサイネージ)を遠隔操作。

・首都直下地震を想定し、模擬TVニュース+Twitter情報+帰宅困難者受入施設満空情報を丸の内ビジョン 全台(丸の内エリア内のデジタルサイネージ約100台)に放映。


 

■注釈

1  次世代防災拠点(災害対策拠点):「都市再生安全確保計画(後述※3)」において定義している、丸の内エリアの災害対策を更に充実させることを企図した災害対策拠点。同拠点に含まれる「情報HUB機能(後述※2)」は、帰宅困難者受入施設や避難者情報の一元管理、負傷者搬送支援などの災害時の官民・民民情報共有プラットフォームの構築を想定している。また、平常時には災害対策機関の交流を促進するコミュニティ機能を有するほか、エリア防災訓練なども想定している。

※2  情報HUB機能: 発災時には、広域情報(TVニュースなど)ローカル情報を帰宅 困難者や災害対策機関に適切に情報提供することが重要と考えており、これらの情報収集・編集・編成・配信などを担う災害時放送センター機能を「情報HUB機能」として位置付けている。

今回の実証実験では、丸の内ビジョン・ハイビジョン放送システム(三菱地所)、クラウド型のライブ映像情報共有システム(アイ・ピー・エル社製)、屋内電子地図(国土交通省高精度測位社会プロジェクト(後述 ※4))などのシステム等を連結している。


※3  都市再生安全確保計画: 2015 3月、大手町・丸の内・有楽町地区都市再生安全確保計画作成部会において、「大手町・丸の内・有楽町地区都市再生安全確保計画」が承認されたことで同計画が作成され、その後20213月に改定された。

千代田区ホームページ:

https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/machizukuri/toshi/kekaku/daimaruyuchiku.html  

※4  高精度測位社会プロジェクト: 国土交通省による、東京オリパラに向けた屋内電子地図や屋内測位環境等の空間情報インフラの整備・活用の推進プロジェクト (2014年から)。社会実証を通じてサービスの見える化を図るとともに、空間情報インフラを効率的・効果的に整備する手法や継続的に 維持・更新する体制(モデル)の検討等を行い、民間事業者等による多様なサービスが生まれやすい環境づくりを推進。

高精度測位社会プロジェクト:

https://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/kokudoseisaku_tk1_000091.html

参考:過去の関連リリース

201839日付/国内初、事業者向け「災害ダッシュボード」のライブカメラを使った防災訓練を実施 URL

https://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec180309_dashboard.pdf

2019123日付/被災状況や負傷者搬送を俯瞰する「災害ダッシュボード2.0」を活用した実証実験実施 URL

https://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec190123_dashboard2.pdf

2020122日付/デジタルサイネージ版「災害ダッシュボード3.0」を活用した実証実験実施 URLhttps://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec200122_dashboard3.pdf

202122日付/首都直下地震×感染症対策×デジタル化「災害ダッシュボード  4.0

実験実施 URLhttps://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec210202_dashboard4.pdf

 

 

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